バイナリーオプション、謎に翻弄されたサラリーマンの副業

借金があり、他に収入源のない私は友人を介して、新しいバイナリーオプションを扱う店を手伝う事になりました。店と言っても雑居ビルの一室で一抹の不安を感じつつもその部屋をノックしました。中からスーツ姿の30代半ばの男が出迎え、坂本と名乗り、男は探偵で彼のいうバイナリーオープションは会社帰りの2時間、時給990円でとある駅ビル2階の部屋から道路を挟んだ対面の部屋を監視して欲しいという内容でした。

住人が帰って来るか来ないか、それが一部の人たちのマネーゲームになっていると言うのです。詳しい事を聞こうとすると彼は「話せない」というばかりで印刷した駅ビルまでの地図と部屋の鍵、連絡用にと携帯電話を渡し雑居ビルの玄関まで見送りました。駅ビルに到着し目的の部屋を見るとカーテンが外された、どう見ても空き部屋でした。それから監視が始まり2ヶ月が過ぎました。報酬は振り込まれていました。
しかし無人の部屋を監視するのは退屈。その日は椅子に腰掛け漫画片手に漫然とその部屋を見据えていました。

その日の監視が終わろうとした頃、携帯電話がけたたましく鳴りました。「奴が来ます」と坂本はあわてた様子でした。電話はすぐに切れました。一体奴とは?期待より不安が大きく、嫌な予感しかありませんでした。カーテンを閉めその隙間から監視する事にしました。その電話から数分後対面の部屋に明かりが点き、現れたのは年齢は20代前半モンペ姿に風呂敷包みを担う女性でした。時代錯誤というかまるで戦時中から時間旅行してきたような出で立ちでした。呆気にとられていると部屋に坂本が走り込んで来ました。「奴は?」と聞き、カーテンを指差すと険しい表情を見せました。

不安な私は「これはマネーゲームのバイナリーオプションですよね?」と聞くと坂本は「ええ」と言って部屋を出て行きました。その約二分後、あの部屋から稲妻のような閃光、爆発音がしました。パトカー、消防車が次々に駆けつけました。訳が分からぬまま私は家に帰りました。後日、坂本からバイナリーオプション終了の電話があり、雑居ビルの店もなくなっていました。しかし最後の報酬額は990万円でした。

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